マーストリヒト条約改正会議 2018-05-24T16:48:41+00:00

The negotiation for revision of the Maastricht treaty

マーストリヒト条約改正会議

議場

アムステルダム欧州理事会・1997年6月17-18日

募集人数

30人 (ペアデリ)

会議監督

山本佳奈美・明治学院大学・3年・日吉研究会

議長

永田理紗・上智大学・3年・四ツ谷研究会

吉田怜生・早稲田大学・3年・早稲田研究会

秘書官

奥山智司・同志社大学・4年・京都研究会

細田尚希・埼玉大学・3年・国立研究会

報道官

北川真由・金沢大学・3年・北陸支部

使用言語 (公式/非公式/文書)

日・英・自国語/日/日

国割り

Austria Belgium Denmark Finland
France Germany Greece Ireland
Italy Luxemburg Netherlands Portugal
Spain Sweden United Kingdom

議題背景

 1993年、マーストリヒト条約(欧州連合条約)によりEUが誕生し、欧州の統合は新たな局面を迎えました。この会議では、マーストリヒト条約の改正を目指した、欧州理事会を模擬し、その中でも、外交・安全保障の分野に関する議論を論点として取り扱います。過去、欧州にて外交・安全保障の分野に関して統合の深化は幾度となく挫折を繰り返し、タブーとされてきました。マーストリヒト条約でも欧州共通外交・安全保障(CFSP)の分野は超国家的要素ではなく、政府間協力の分野におかれていました。アムステルダム条約では、政府間協力の分野であることに変更はありませんでしたが、統合や協力を求める国々の声によって、協力体制の強化とEUとしての行動の範囲がひろがりました。具体的には、共通防衛政策、外交安全保障分野の上級代表の設置、特定多数決や建設的棄権の導入などが挙げられます。長きにわたる議論の中、CFSP分野の深化を求める国にとってその進歩は微々たるものでしかなかったという見解も存在しますが、欧州安全保障防衛政策(ESDI)など、アムステルダム条約で新しく取り入れられた政策がより深まっていったことを考えると、EUの歴史の中で、アムステルダム条約にみられる外交・安全保障分野に対する進展の意義は大きかったとも考えられています。

コンセプト

可能性の模索

コンセプト説明

 自国のスタンスを形成する過程で、史実の担当国について様々な視点から調べ、考察し、そこで得た情報を総合的に判断することを通して、史実とは異なった結論が出る「可能性」を参加者の皆さんに「模索」してほしいという意味を込めてこのコンセプトを設定しました。これは、必ずしも史実とは異なるスタンスを導くことを求めているのではなく、当時の外交官と同じように様々な視点と情報からスタンス構築を行ってほしいという意味になります。

 その時・その会議において、担当国または他参加国が、なぜそのような行動をとりそのような結果を残したのか、をリサーチして出てきた答えをそのまま反映し表面上のみの理解にせずに参加者自身で深め、そののちに自分で導き出した答えを会議に反映させて欲しいと思っています。そのためには、国際情勢はもちろん、国内情勢や過去と未来の時間軸といった様々な視点から事実を組み合わせ考察していく必要があります。

 このように、参加者が自国のスタンスについて多角的な視点や視野を持って自分自身で考察する、という過程を踏まえることにより、担当国がとる可能性のあった行動の選択肢が見えてくるはずです。そしてその中から、参加者の皆さんがが最善だと思う行動を会議に落とし込んで欲しいと思います。

 当日の会議では実質的議論に重きを置き、TT案のフロントからの提示などの、議論議論の最小化をはかる会議設計によって、普段の会議以上にリサーチで得た知識やそれに基づく思考を通した議論、交渉をじっくりと行ってもらいたいと思います。

会議を作成した理由

 模擬国連の史実をもとにした会議では、参加者の多くがリサーチして出てきた国のスタンスや意見をそのまま使い、会議行動に取り込んでいます。もちろん、各国がとってきた行動はその時代に最善だと考えられる行動をとってきているはずで、それを模擬国連において再現することは間違いではないでしょう。しかし、会議参加者は、担当国がどうしてそのような行動をとり、その会議が史実の結末を迎えたのかを自分自身で考察し、理解して模擬を行っているのでしょうか。

 「模擬国連会議」の場において、史実を再現すべき、と捉える人もいれば、個人の考えや意見を反映させられるような自由度を高めるべきだと考える人もいます。模擬国連とは何か、という議論は尽きることはなく、様々な考え方があると思います。私自身、明確に模擬国連とは何かを述べることはできません。ただ、模擬国連会議に参加する上で、私は、史実の会議を深く理解することを大切にしています。リサーチして出てきたスタンスを模倣するのではなく、どうしてそのような行動をとったのかを考察し、自ら導き出し、その答えを会議に反映させることで、初めて模擬国連を行ったと言えるのではないかと、私は思います。会議作成理由とコンセプトは以上のような私の問題意識と直結しています。

 もっとも基礎的なことと思われるかもしれませんが、実際これを突き詰めておこなっている人は少ないのではないかと考え、会議参加者の皆さんにこのような視点野本に会議準備や当日の会議行動に励む機会を提供したいと考え、よりそれらの機会を実現しやすい会議として今会議を作成しました。

会議を通して参加者に得て欲しいもの

・スタンス構築力

・情報を整理する力

・情報を読み取る力

・選択肢から結論を導き出す力

・様々な視点から考える力

・会議成果が未来へ与える影響を考察する力

・リサーチから逃げない根性

こんな人にオススメ!

EU自体の理解が難しく、また会議準備もハードではありますが、「せっかく夏休みを使って参加するなら全力でやりきりたい!」という強い覚悟を持った新メンに挑戦してほしいと思い会議を作成しています。

当日の会議では、実質的議論をじっくりとすることのできるよう会議設計をしています。

・新メン…現時点で会議にシングルでも参加でき、自分一人で自国スタンスを会議行動で再現できる人。もっともっと模擬国連を深く楽しみたいという人。担当国のスタンスを自分自身で考えて成果を出したい人。

・旧メン…今までリサーチから逃げ出したことがあり、なんとなく会議をやってきてモヤモヤが残っている人。全力で会議をやったという達成感を得たい人。一つのことに対して会議内でじっくりと議論したい人。

コンセプト上、会議準備に重きを置いた会議になるので、リサーチやタスクを埋め、考察する時間を確保できない人にはオススメできませんが、みなさんが、思考する時間に一番時間をかけられるよう、フロントがBG、タスク、メンターなどを通して全力でサポートします。

※○メンとは大学模擬国連の経験年数を表しています。
新メン…模擬国連暦1年目の方
旧メン…模擬国連暦2年目の方
老メン…模擬国連暦3年目の方
神メン…模擬国連暦4年目の方
超神メン…模擬国連暦5年目以上の方

今会議で各国は、マーストリヒト条約の改正を目指した政府間協議での議論を受けて、最終的な政治的合意を目指します。

そして今会議で扱う論点は、条約のCFSP(共通外交・安全保障政策)の分野における
①CFSP上級代表の設置に関して
②WEUの統合に関して
③政策決定方式(建設的棄権の導入)に関して
の三つになります。

通常CFSP(共通外交・安全保障政策)の一部にESDP(欧州安全保障・防衛政策)が含まれますが、取り扱う論点の関係上、上記の表では各論点に対する主なスタンスを分かりやすくするために、分けて表示しています。

今会議を通して、主な対立軸にEUの統合の深化を望む「統合推進派」とそれに対して慎重な姿勢をとる「統合慎重派」のグループが存在します。
代表的な統合推進派としてフランス、ドイツ、イタリアが挙げられます。この3カ国はEUの原加盟国でもありこの会議に至る政府間会議でもCFSP分野での深化を主張してきた国々です。
統合慎重派の代表としてはイギリスがあげられ、政府間会議中はCFSPを政府間協力の分野として主張していました。
また、特に安全保障防衛政策に関しては、中立政策や非軍事同盟を掲げる国々(オーストリア・スウェーデン・フィンランド・アイルランド)、そしてマーストリヒト条約でこの分野に関してオプトアウト(適用除外)を認められていたデンマークは他国と異なる特殊な立場に置かれます。

史実であればオランダが議長となりますが、今会議では公式に会議の議事進行を行うのはフロントの議長となり、オランダが議長国として最初から議事進行権を持つことはありません。

以下は各論点での主な対立軸です。賛成や反対の理由に関しては代表的なものをあげており、異なる国もありますので、希望する国や気になる国に関してはアプライ前に個人でのリサーチをお勧めします。

論点1 CFSP上級代表の設置
上級代表の設置は、EU対外政策の一貫性をいかに確保し、CFSPをいかに外部に対して見えやすくするか、いかに効率的にするかという問題に基づいて発案されました。また、このCFSP上級代表に関する案はその設置および任務、人物について多くの議論が交わされました。
・賛成:上級代表の設置により、EU対外政策の一貫性の確保や、外部に対するプレゼンスの強化を期待
・反対:別個に独立した地位を設置することで、CFSPの政府間的な性格から逸脱する可能性への懸念
・一定の条件下で賛成:既存の組みの統一性を壊すことへの懸念
論点2 WEUの統合
WEU(西欧同盟)とは西欧諸国のみで構成された地域的安全保障機構です。マーストリヒト条約では欧州共同防衛政策についての記載があり、これが最終的にEUとしての共同防衛に至る可能性があることと、WEUがEUの発展に不可欠なものであるという言及はされていたものの、その統合や扱いに関してはその後の政府間協議に託されました。共通安全保障防衛政策という面で、WEUをEUに統合するか否かをはじめ、EUにおけるWEUとNATOの位置付けについて議論されました。
・統合派:WEUをEUに完全に統合することにより、EU主導で欧州独自の防衛体制を築くことを目指す
・統合反対派:防衛面に関して米国が主導するNATO中心主義であり、EUがWEUを統合することにより、NATOの一体感が薄れることに懸念を示す
・その他:軍事的非同盟政策を推進する国々が、政府間協議の時点で、EUの軍事活動を人道・救難活動や平和維持活動に限定することを目指す
論点3 建設的棄権の導入
マーストリヒト条約後のEUでは、今後見込まれる加盟国の増加によって、統合進退の意思決定が困難になると考えられました。そこでアムステルダム条約では、統合を推進したい国々が先行して統合を達成し、そうでない国々が統合の障害とならないよう、基本的に「柔軟性(緊密な協力)」が導入されました。しかしながらCFSPの分野では「柔軟性」は導入されず、実質的な柔軟性の導入を目的として「建設的(積極的)棄権」が発案されました。これは、全会一致が原則である理事会の採択で、棄権がその決定を妨げない、というものです。

今会議では論点1と論点2の議論ののちに、建設的棄権の導入を再議論していただきます。

この会議は、会議監督自身の経験と、多くの新メンと関わってきた経験から生まれた問題意識をもとに会議を作成しています。模擬国連の活動の中で、会議準備は大変ですし、言い訳を見つけてなんとなく理解したつもりで会議に参加してしまいがちですが、会議前に考え抜いた分だけ、会議が始まった時の高揚感と終わった後の達成感を味わえるのではないかと思っています。大学生活の貴重な時間を使うのですから、やるのなら全力で模擬国連を楽しみませんか?
この会議が、会議における自国の可能性、そして参加者の皆さんの、もぎこっかーとしての可能性や模擬国連の可能性を見つけるきっかけになるよう、とっても優秀なフロントとともに皆さんのコンセプト達成を全力でサポートします!皆様のご参加お待ちしております!